下着の素材の種類と使い分け|肌に合った素材の選び方は?
下着は使われている素材を選ぶことで、お肌を守ったり、体の悩みや洗濯トラブルを解消することができます。
自分に合った下着素材はどれなのか、それぞれのメリット・デメリットから使い分けてみましょう。
下着の素材は気にした方が良い?
女性はお肌が変わりやすい!今に合った素材で快適に
女性の体は、ホルモンバランスの変化や腸内環境、ストレスなどによって肌が敏感になりやすく、ちょっとした変化にも反応しやすくなります。
顔のお肌の変化はよく感じる女性も多いですが、実は体の皮膚も同様で、かぶれやすくなったり、刺激に弱くなったりしてしまうのです。
そのため、お肌の調子が悪い時に化粧水を変えたり、低刺激の化粧品を使うのと同様に、下着が触れる肌にも優しい素材を選んであげましょう。
日々の体調や身体の変化に合った下着の素材を選ぶと、これまでよりも心地良く毎日が過ごせるようになります。
快適さやお手入れのしやすさも素材で変わる
下着の素材には様々な種類がありますが、通気性や吸湿性、保温性などの機能に優れたものなら、より快適に着用できます。
ベタつきやムレなどの不快感がないうえ、汗によるニオイの発生も抑えることが可能です。
身体が冷えがちな女性なら、保温性の高い素材を使う事で、冷えによる様々な症状を軽減することにもつながります。
また、素材によって丈夫さも変わるため、洗濯機で洗えるダメージに強いタイプを使えば、普段使いしやすく洗い替えも安心です。
下着の素材別メリット&デメリット
ポリエステル(化学繊維)
下着に使われる化学繊維の中では、最も生産量・使用量が多い合成繊維で、お手頃価格の下着によく使われています。
生地が丈夫なので、洗濯機で洗いやすい、シワになりにくい、型崩れしにくいなどがメリットです。
また、乾きやすいので乾燥時間も短縮でき、室内干しをしている方も生乾き臭の心配が少ないでしょう。
ただし、乾きにくいという事は「水分を吸わない=吸湿性が低い」という事ですから、汗をかきやすい女性だとムレやすく、汗疹などの肌トラブルにつながります。
また、化学繊維は静電気が起こりやすい、毛玉になりやすい、汚れが落ちにくいといった点がデメリットです。
消耗が早く、長く愛用できる素材ではないので、可愛い下着をたくさん用意したい方、デザインを頻繁に変えたい方に向いているでしょう。
綿・コットン(植物性繊維)
コットンで作られている下着は、吸湿性と通気性に優れているのが特徴で、いつでもサラサラと快適な着心地です。
冬になると空気を含み、保温性が高まるため、冷えたくない女性にもうってつけの素材と言えます。
ふんわりと柔らかい肌触りと、伸縮性に富んだ素材なので、化学繊維のようなチクチク・ザラザラ感がせず、自分の体に合った丁度良いフィット感です。
ただし、綿素材の下着は乾きにくい、シワになりやすい、縮みやすいという特徴があり、お洗濯などのケアが少し面倒です。
また、直射日光によって変色しやすいため、外干しをするご家庭では消耗が早まりやすくなります。
絹・シルク(動物性繊維)
カイコの繭から作られるシルク素材は、タンパク質から作られており、「第二の肌」と呼ばれるほど刺激が少なく、お肌と相性の良い素材です。
滑らかな肌触りが心地良いですが、実は吸湿性・保湿性・放湿性に優れており、いつでも最適な湿度を保ってくれるのでオールシーズン快適に過ごせます。
また、繭はカイコ(幼虫)を育てるためのものなので、保温性も高く、女性にも嬉しい素材です。
シルクのデメリットは摩擦に弱く傷がつきやすい事で、丁寧にお手入れをする必要があります。
耐水性も低く、濡れると縮みや色落ちが発生するため、毎日着る下着としては少々使いづらいかもしれません。
また、シルクは服につく害虫が最も好む素材なので、保管環境が悪いと虫食いが発生してしまいます。
麻・リネン(植物性繊維)
最古の繊維とも呼ばれるリネン素材には、「アイリッシュリネン」と「フレンチリネン」の2種類があります。
どちらも吸湿・放湿性が高いのが特徴ですが、アイリッシュリネンは丈夫さが魅力で、お手入れがしやすいでしょう。
一方、フレンチリネンは肌触りの良さが感じられ、使うほど肌馴染みが良くなり、快適になります。
リネンは保湿力が低い素材なので、汗をかきやすい方や暑い季節など服内の湿度を下げたい場合、ふんどし用素材に向いています。
洗うとシワになりやすいほか、洗濯物同士の摩擦によって毛羽立ちが生じることも多く、頻繁に洗濯する下着には不向きです。
レーヨン(化学繊維)
レーヨンは木材パルプを原料に、シルクに近づけて人工的に作った再生繊維で、糸自体が弱酸性なことからアルカリ性のニオイ(尿や汗など)の消臭効果があります。
やわらかで滑らかな肌触りと美しい光沢が特徴的な素材でもあり、吸湿性が高く、汗をしっかり吸ってくれます。
また、染料が染み込みやすいのでとても綺麗な発色になり、デザイン性をより一層高めてくれます。
レーヨンは耐久性の低さが難点で、洗濯機による縮みやシワなどが生じやすく、下着の場合は他の繊維と混ぜて使われることが多いでしょう。
今日の下着、どの素材を選ぶ?
たくさん汗をかきそうな日、暑い季節
汗対策としてオススメの下着素材は、「ポリエステル」と「綿(コットン)」の2つです。
ポリエステルは、速乾性に優れているのでサラリと快適なほか、雑菌の繁殖を防ぐことができるので汗のニオイ対策としても期待できます。
価格も安価なうえ、生地が丈夫でお手入れもしやすく、頻繁に洗いたい普段用の下着やスポーツ用としても使いやすいでしょう。
また、コットンの下着は汗をかいてもサラサラになり、長時間着用していても快適です。
寒くなれば保温力が高まるので、どの季節でも使いやすく、素材を変えるのが面倒な人なら特に選びたい素材と言えます。
かぶれやすい、ムレが気になる
生理中やおりものが出る日は、下着内の湿度が高くなるため、かぶれやムレがより一層気になります。
そんな時は、通気性に優れた「綿(コットン)」や、「絹(シルク)」の下着を着用するのがおすすめです。
特にお肌がデリケートになっている時期なら、より肌馴染みが良く保温性も高いシルクの方がオススメですが、価格の高さや洗い替えしにくい点を考慮して選択しましょう。
なお、綿は通気性には優れていますが、水を吸うと乾きにくい特性があるため、汗をかくような季節・シーンではおすすめできません。
敏感肌、お肌への刺激を抑えたい
肌への摩擦・刺激を抑えたいなら、「綿(コットン)100%」か「レーヨン混の綿」の素材が良いでしょう。
天然の繊維ならではの柔らかい肌触りで、お肌に刺激を与えにくく、また快適性にも優れています。
また、綿素材にレーヨンを混ぜて織り込まれたレーヨン混なら、洗濯による綿のゴワつきを低下させ、長く柔軟な肌触りを保つことが可能です。
よりお肌への刺激を少なくすることができるので、敏感肌の方はレーヨン混の方が重宝するでしょう。
アトピー性皮膚炎で悩んでいる
アトピーによる痒みでお悩みの方は、皮膚と同じタンパク質で作られている「絹(シルク)」の下着が最適です。
動物性の繊維なので約20種類ものアミノ酸が含まれており、下着でありながらお肌の保湿や乾燥予防をすることができます。
また、自動的に最適な湿度を保ってくれることから、皮膚の清潔を保つことも可能です。
実際に、シルクの下着は皮膚科医もアトピー患者さんへ勧めていますが、稀にアレルギーを持つ方もいるので注意しましょう。
体の冷えがつらい
冷え性をお持ちの女性、冬用の下着を買いたい方は、最も保温性の高い「絹(シルク)」の下着を選ぶのがおすすめです。
シルクの繊維にはたくさんの穴が開いており、空気を含むことでダウンコートのように体をしっかりと温めてくれます。
吸湿性や放湿性の機能も綿に比べて優れているので、汗でベタついてしまう心配もありません。
ブラやショーツではなく、腹巻や靴下、インナー素材を変えて冷え対策を行うのも良いでしょう。